1. DNS/用語/glue
/Arends /JPRS /JP_NS /NSレコードに付随するAレコード /RFCより /arpa /policies /sibling glue /survey /twitter /twitterQuestion /あれば充分か /なかったらどうする /グルーなし問題 /サブドメイン委譲返答 /ルートサーバ返答 /上位のゾーンサーバ /毒盛 /演習問題 /防御しづらい攻撃法 |
glue/グルーがなにかがはっきりしていないのに、グルーレコードという言い方をするのもおかしいので、 単にglueと言うことにしました。-- ToshinoriMaeno 2015-04-02 02:13:25
世間でglue/グルーと呼ばれているものをすべて網羅する表現だとします。
1.1. RFC 1034
glue の説明はDNS/RFC/1034/4.2#A12 に現れる。
ここの説明はまっとうなものだと思う。 /RFCより
"glue"をtext searchで検索すると、wiki内に573件もヒットする。!!
DNS/用語/glue/survey RFC-draft
../グルー は 226件です。
Contents
DNS Glue RR Survey and Terminology Clarification https://datatracker.ietf.org/doc/draft-koch-dns-glue-clarifications/ Expires: September 10, 2015
while all early RFCs are consistent in using "glue" only for type A address records for NS RR targets, they apply slightly different logic as to when a glue A RR should be present.
「NS RR に付随するAレコードだと言う部分は共通している」がとあるが、
それだけでglueと呼ぶのは間違いです。RFC1033,1034に戻ろう。-- ToshinoriMaeno 2016-01-25 23:23:39
https://www.ietf.org/mail-archive/web/dnsop/current/msg14244.html
/survey DNS Glue RR Survey and Terminology Clarification (RFC draft)
DJBの説明: http://D/notes/glue.html
中国語では「胶水」,日本語だと 糊、膠、接着剤 ですね。きづな、つなぎとかもありそう。
関連事項: DNS/委譲 DNS/authority
1.2. superglue
https://fanf.livejournal.com/145708.html
Domain registry APIs and "superglue" - Tony Finch's blog
1.3. グルーとはなにか
このwikiでは以下のように定義しておきます。BIND集団が使うときとは意味が異なるので注意すること。
「/上位のゾーンサーバが返す/サブドメイン委譲返答中の/NSレコードに付随するAレコード」
- ただし、NSレコード値が委譲されるサブドメイン内の名前であるとき。 (in bailiwick といわれます。)
- (以前に、「問い合わせドメイン内の名前である」と書いたのは間違いです。)
- またNSレコードのラベルは問い合わせのsuffixである必要があります。(そのラベルを返答する権限も必要です)
DNS/委譲返答は別途説明をみて欲しい。(answer 節がなくて、 authority を示すNSレコードがあるのが特徴です。)
- まぎらわしいのが、ゾーンサーバがおまけで返してくるNSレコードです。(委譲ではない)
別の面からみると、次のように言えます。
- グルーレコードがなければ、ゾーンサーバにアクセス不可能になってしまう場合に、 親ゾーンサーバが委譲返答のadditional section につけるAレコードである
DNS 運用上, 必要なA(AAAA)レコードだけを示すようにすることが目的です。
- 毒の可能性を考慮するなら、捨てるのが安全です。
例:
qmail.jp のNSレコード値は a.ns.qmail.jp です。
こういう問題があるかも:
サブドメインの委譲(委任)DNS/ドメインの委譲の概念をしっかり理解していないと、グルーを理解することは難しいでしょう。
-- ToshinoriMaeno 2013-10-25 11:23:36
1.4. 別の立場
https://www.ietf.org/mail-archive/web/dnsop/current/msg07881.html /Arends
1.5. グルーではないもの
上記以外のものはグルーレコードではないとします。 (グルーモドキというひともいるが、混乱のもと)
- 特に権威サーバがauthority section に返してくる NS レコードに対応する additional section 中の対応 A レコードはグルーではない。
- DNS 関連のトラフィックを軽減するために、付け加えられているに過ぎない。
- それが毒盛に利用されるのは設計のミスといえよう。
BIND集団としては比較的まともな説明:http://www.atmarkit.co.jp/fnetwork/dnstips/015.html
- ただし、誤解を招く表現がある。例えば、以下の部分です。
なお、委任先のサブドメインを管理するネームサーバの名前が全く関係ない場合 グルーレコードは不要になります。 例えば、example.jpのネームサーバとしてns1.example.com を指定している場合、 jpのネームサーバはexample.jp に関する問い合わせに対して NS として ns1.example.com を答えるだけで、additional rekord (グルーレコードではない)は返しません。
ここでの前提条件:
- 委任先のサブドメインを管理するネームサーバの名前が全く関係ない場合
が成立する場合、グルーレコードというものが無用なのです。言葉そのものが存在意義がない状況だと言えます。
(まったく関係ないというのはどういう意味なのかも問題です。-- ToshinoriMaeno 2012-12-26 02:36:49)
BIND集団にはNSレコードに対する付加Aレコードをすべてglueと呼ぶ人も含まれているが、 これは正確な議論をするときには妨げになるので、この立場には組しない。
1.6. なぜグルーレコードが必要と言われるのか
DNS の設計ミスを補うため。(ドメイン名空間にこだわりすぎたのです。)
https://lists.dns-oarc.net/pipermail/dns-operations/2015-June/013400.html
- "sibling glue" と呼ばれるglueではないがなんらかの情報(A/AAAA)が必要なケース。
そのような設定が間違っていると考える。-- ToshinoriMaeno 2016-01-23 15:49:26
https://lists.isc.org/pipermail/bind-users/2009-October/077863.html
- ここにあるような設定はだめという話になったはずだが。
1.7. グルーなし問題
必要がないとはいえ、名前解決のためにグルーなしの場合の検索が多段になると、キャッシュサーバも検索をあきらめます。
- 相互参照のドメイン問題
1.8. グルーレコードの最大の問題
IP アドレスが間違っているケース
- ドメイン乗っ取りにつながることでしょう。
1.9. グルーレコードに関係する二つの問題
- 権威がない名前に対して余計な A レコードをつけてくる DNS サーバ (バンド幅の無駄)
- かつては毒盛手段としても使われた。現在はまともなレゾルバーには無視されるだけだが、非常に多い。 設定のミスに起因するが、実装の間違いでもある。
- 効率のためには付加すべき Aレコードを返さない DNS権威(コンテンツ)サーバ
1.10. 毒盛
Kaminsky手法による攻撃のターゲットになります。 /毒盛
-- ToshinoriMaeno 2011-08-24 23:54:03
1.11. djbdns/dnscache
DJBによる記述: http://djbdns.qmail.jp/djbdns/notes/glue.html
- 権限外の名前に対するadditional A は不要・害だという立場。
- dnscache での扱いは上の線に沿ったもののようだ:
当該サーバの管轄区域外のレコードは保存しません; (当然、渡しません。) これらのレコードには毒が入っているかもしれないからです。 例えば、foo.domのレコードは ルートサーバ、dom サーバ、そしてfoo.dom サーバ からしか受け取りません。 dnscacheは返事の additional セクションからグルーを取り出すために キャッシュをバイパスしたりしません。 特に、サーバの管轄範囲外のグルー、 TTL 0 のグルー、 その他のキャッシングポリシーに反するグルー などの情報は使いません。
1.12. JP
http://jprs.jp/whatsnew/notice/before2011/20100712-arecord-2.html
- JP DNSのDNS応答におけるIPアドレス出力条件変更のお知らせ(詳細)
1.13. 似て非なる状況
問い合わせた名前がCNAMEレコードを持つ場合(つまり、別名であった場合)DNS/返答/CNAME返答
- Answer SectionにはCNAMEレコードが入れられる。さらに、 正規名が問い合わせタイプのレコードを持つ場合、そのレコードもAnswerとして付けられる。
ただし、正規名が返答を返すサーバが「権威」をもつゾーン内にある場合にかぎる。
glueと似た状況ではあるが、まったく意味が異なる。
-- ToshinoriMaeno 2017-01-15 10:05:25